2018年4月11日水曜日

クローゼット第10回の新キャラさんたちについてのあれこれ(その2)

10回目の秘密のクローゼットについてのその2です。その1はこちら

※2018-04-20、3ページ目のみなさんについて追記しました


執事さん

まず1人目は、ブラックリストを持った"執事さん"。白黒+差し色の赤のシンプルな配色がかっこいいです。セクシーマジシャンのラクリアさんがドロップするモノクルはこの方のアクセサリーだったのでしょうか。

マンガ家さん

2人目は"マンガ家さん"。服の模様の吹き出しに、いくつか英語が書かれています。"WOW!"には解説の必要はないでしょう。"smack"はチュッというキスの擬音です。一緒にキスマークが描かれていますね。右下のほうの紫の吹き出しにある"soosh"は、ビューンという音を指す擬音"swoosh"のことでしょうか。

睡魔ちゃん

3人目の"睡魔ちゃん"。持ち物がひつじ、バク、ベル、目覚まし時計、"GOOD NIGHT"と書かれた本と、睡眠関係で可愛いです。

ベルと目覚まし時計が杖の武器なのは、おそらくノッカー・アップが使った棒を意識しているのではないかと思います。ノッカー・アップとは、まだ目覚まし時計が十分に普及していなかった頃のイングランドやアイルランドに存在した、依頼者を起こす職業です。棍棒のようなものでドアを叩いたり、長い棒で高い階の窓を叩いて起こして回っていました。
ノッカー・アップ
Knockers-Up | History Undustedより
"睡魔ちゃん"なので、もし名前がついたとしたらヒュプノス(ギリシア神話の眠りの神)、ソムヌス(ローマ神話の眠りの神、ラテン語で"眠り"の意)、モルフェウス(ギリシア神話の夢の神)あたりになりそうです。

南の海のヌル

南の海のヌルさん。"ネプチューン的なやつ"と書かれていますが、ネプチューンっぽいのは武器のトライデント(三叉の矛)くらいのような気がします。ネプチューンはローマ神話のネプトゥーヌスのことで、ギリシア神話のポセイドンと同一視されます。
ヌルさんからシャテンさまたちの名前の下にあるカッコ書きはおそらく名前の由来だと思われるので、ヌルさんの名前の由来はnullなのでしょう。nullというのはドイツ語で"0"を意味する単語で、「何もない」という意味で使われます。日本では主にプログラミング関係で使われる言葉です。

海関係のキャラクターで、名前が「何もない」を指す……と来れば、ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の登場人物のネモ船長が思い起こされます。ラテン語で「誰でもない」を意味する"nemo"を名乗る、潜水艦ノーチラス号の船長です。
この海底二万里にはアトランティスの遺跡が登場しますが、アトランティスは存在しない(null)大陸ですね。アトランティスはポセイドンとも関係がありますし、『海底二万里』がヌルさんの元ネタである可能性は十分ありそうです。

また、「南の海」「null」からは、メガラニカも連想できます。メガラニカというのは、古代ギリシアの時代から存在が仮定されていたものの実際には存在しなかった、南半球にあるとされた巨大な大陸です。メガラニカはテラ・アウストラリス(Terra Australis、南方大陸)とも呼ばれるので、けっこうイメージに合いそうです。余談ですが、テラ・アウストラリスはオーストリア(Australia)の名前の由来になっています。

南の海のヌルさんは、なくなってしまった大陸の、今は亡き王国の姫なのかもしれませんね。

冥府の女王ペルセピナ

冥府の女王ペルセピナさん。"夜とか冥府の女王みたいな"と書かれています。名前の由来はカッコ書きされているとおり、ギリシア神話の「ペルセポネー」でしょう。ペルセポネーはローマ神話では「プロセルピナ」と呼ばれるので、ペルセポネーとプロセルピナを合わせて「ペルセピナ」という名前が付けられたものと思われます。

ペルセポネーはいろいろあってハーデースの妻となり、冥府の女王になった女神です。このペルセポネーですが、プシューケーの物語においてプシューケーに「冥府の眠り」を渡しており、眠りとも無関係ではありません。

ヒルメ

ヒルメさん。名前の由来は「オオヒルメノムチノカミ」と書かれていますね。大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)は、アマテラスオオミカミの別名です。ということは、ヒルメさんはアメさんの関係者でしょう。

"ガガちゃんぽいのとは…"と書かれていますが、レディ・ガガ風のファッションのキャラクターを発注されたのでしょうか? ガガさんのファッションについてはあまり詳しく知らないのですけど、ちょっと検索したら、2009年3月のカリフォルニア公演で割れた鏡モチーフの衣装を着ていたことがあるようですね。

眠り姫スリプ

眠り姫スリプさん。眠り姫というとヨーロッパの民話『眠れる森の美女』が思い起こされます。後ろにシーツが浮いていますが、月と太陽がシーツを持って浮かせているようにも見えます。同種のキャラクターである睡魔ちゃんやペルセピナさんには太陽と月のモチーフはありません。スリプさんのデザインにおいて太陽と月が現れるのは、『眠れる森の美女』の類話に『太陽と月とタリア』というお話があるからかもしれません。

『太陽と月とタリア』はイタリアの民話で、ジャンバティスタ・バジーレが蒐集し刊行した『ペンタメローネ』という説話集に入っています。大筋は皆さんご存知のグリム版『眠れる森の美女』に近いのですが、『太陽と月とタリア』では、眠ったままのタリア姫と彼女のもとを訪れた王の間に男女の双子が生まれ(タリアは眠ったまま出産します)、その双子は目を覚ましたタリアによって「太陽(Sole)」「月(Luna)」と名付けられます。そう、『太陽と月とタリア』のイタリア語原題は『Sole, Luna, e Talia』です。フェニックスのお二人がイタリア風なのも、もしかするとタリアの物語が関係しているのかもしれません。

影の王シャテン

影の王シャテンさん。シャテン(シャッテン)は、ドイツ語の単語Schattenそのままの名前です。影,陰、という意味の名詞ですね。
手持ちのクラウン独和でSchattenを引いたところ、“die Schatten der Vergangenheit(過去の暗い影)”という用例が載っていました。なんというか、オトカドールAct編にぴったりな用例です。


では、今回はこの辺で……

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以下、2018-04-20追記。追記はしたもののスカスカです……。

プレイヤードールズ(?)

やよいさんからニェコさんまではライバルドールではなくてプレイヤードールでしょうか。プレイヤードールたちは基本的に、名前の由来などがはっきりしませんね。

やよい

芸術家でやよいといえば草間彌生……しか思い浮かばないですが、あまり関係なさそうですよね。

くう


きー


クリス

きーさん(黄色)とクリスさんの片言感を混ぜるとサニーさんになりそうですが、クリスさんみたいな剣と魔法のファンタジーRPGライクなキャラクターでオシャレバトルするのもとても楽しそうですね。

スミレ

あいさん似ですね。植物のアイはピンク色の花を咲かせますが藍色の染料になり、スミレは紫色の花ですね。若干の共通点を感じます。

クロノ

"chrono-"は、”時間”を意味する接頭辞です。クロノグラフ(ストップウォッチ機能付き時計)などの「クロノ」です。Sci-Fiやサイバーに時計モチーフは欠かせませんね!

Bi Bi

名前からしてココさんの縁者っぽいです。ココ・シャネルの”ココ”は本名ではなく愛称ですが、”ビビ”というのも女性の愛称の一つで、ビビという愛称のモデル・女優は複数います。

かず子

キャンさまの縁者でしょうか。ズバリ。

ニェコ

ニェというカナは、主にロシア語をカナ表記するときに使われます。「ニェット(нет, いいえ)」などです。
どうやら日本語の「ネコ」をロシア語のアルファベットで表記した際に"неко"と綴ることがあるようで、それをロシア語読みすると「ニェコ」のような発音になります。ただし、"нэко"と綴ったほうが「ネコ」の発音になるので、"нэко"のほうが一般的のようです。
参考→Неко — ВикипедияДевушка-кошка — Википедия

ファントム クレール

phantom、幻や幽霊を指す英語の名詞です。
clairの方はフランス語で、名詞だと「光」、形容詞では「澄んだ」「明白な」「(色が)淡い」というような意味になります。英語の「clear」と同系の語です。おそらく、「澄んだ」という意味での命名ではないでしょうか。幽霊モチーフのキャラクターのようなので。
白黒つけようとするのは、自分自身が生死の間ではっきりしない存在であることの反動でしょうか。性格を考えると、clairの「明白な」という意味も生きてきます。

名前を英語clearではなくフランス語にしたのは、英題が"The Phantom of the Opera"である『オペラ座の怪人』がフランスの小説(原題:Le Fantôme de l'Opéra)だというのも影響していそうです。まあ、クリアだと「ゲームをクリアする」のクリアにとられてしまいかねないっていうのもありそうですが。


では、追記もこのあたりで。もしまた何か思いついたら書き加えるかもしれません。



2018年4月6日金曜日

クローゼット第10回の新キャラさんたちについてのあれこれ(その1)

ご無沙汰しております、としょディアです。

10回目の秘密のクローゼットは内容が盛りだくさんですごかったですね。新キャラクターたちがたくさん出てきたので、彼女たちについて気づいたことを書き連ねてみようと思います。

2017年10月22日日曜日

"Otoca D'or"を分析する ~日本語・英語・フランス語、かばん語~

ご無沙汰しております、としょディアこと図書館にいるアシディアです。
わたしがブログを更新していない間に、公式からは「秘密のクローゼット」での初期設定資料公開や、フェニックスのシングルCD発売の発表など、色々動きがありましたね。

今日のテーマは「オトカドール」というタイトルについてです。Twitterの方では9月末にツイートしたものですが、少し情報量を増やしてまとめます。

2017年7月20日木曜日

「フェニックス」さんたちについてのあれこれ(その1:不死鳥編)

さる7月14日、新ライバルとしてアイドルユニット「フェニックス」のお2人が実装されました! ヒメモード強いですね……。直接攻撃や先行ヒメモード(攻撃)なら倒せることに気づかなくてサニーさんでヒメモードを発動してから強引に倒すという力任せの解決法を取っていました……。

ショートムービーや言動など色々気になる部分もありますが、今回は「フェニックス」について調べたことをご紹介します。

2017年7月12日水曜日

フィクルさんについてのあれこれ(その2:スモールホワイト編)

前回の記事(→その1:妖精編)では、フィクルさんというキャラクターそのもの及びパピリオコーデに関する話を主にしましたが、今回はAct 2に登場する「スモールホワイト フィクル」さんの方の話をしていきます。

2017年6月28日水曜日

なぞのダイアーナルメーターのしょうたいをおえ!

 どうやら今日修正が入ったようですが、6/16のビアンカダンスコーデ実装アップデート以来、オトカドーラーたちを騒がせていたアイテムがありました。

 それが「ダイアーナルメーター」です。

参考画像
(映り込みが激しくて申し訳ないです)

 アメさんと戦うことで手に入れられる「福猫開運縁起熊手(特級)」の画像(アイテム入手時や売却画面で表示されるもの)が、白地にダイアーナルメーターとだけ書かれた四角い画像になるという現象が起きていました。皆さんご存知の通り、オトカには今まで「ダイアーナルメーター」なる名称のアイテムが実装されたことはありません。その正体を巡ってツイッター上などでいくつかの説が唱えられていました。

 ある人曰く、福猫開運縁起熊手(特級)の内部名あるいは没ネームである、と。
 またある人曰く、次回実装されるアイテムの仮データである、と。

 どちらが真でどちらが偽なのか、あるいは両方とも偽なのか。前者については次回アップデートの予告があればはっきりするでしょうが、今のところはわかりません。ですが、名称からある程度考えることはできます。

 ダイアーナルメーターという名称を読み解きながら、その正体を考えてみようと思います。


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