※2018-04-20、3ページ目のみなさんについて追記しました
執事さん
まず1人目は、ブラックリストを持った"執事さん"。白黒+差し色の赤のシンプルな配色がかっこいいです。セクシーマジシャンのラクリアさんがドロップするモノクルはこの方のアクセサリーだったのでしょうか。
マンガ家さん
2人目は"マンガ家さん"。服の模様の吹き出しに、いくつか英語が書かれています。"WOW!"には解説の必要はないでしょう。"smack"はチュッというキスの擬音です。一緒にキスマークが描かれていますね。右下のほうの紫の吹き出しにある"soosh"は、ビューンという音を指す擬音"swoosh"のことでしょうか。
睡魔ちゃん
3人目の"睡魔ちゃん"。持ち物がひつじ、バク、ベル、目覚まし時計、"GOOD NIGHT"と書かれた本と、睡眠関係で可愛いです。
ベルと目覚まし時計が杖の武器なのは、おそらくノッカー・アップが使った棒を意識しているのではないかと思います。ノッカー・アップとは、まだ目覚まし時計が十分に普及していなかった頃のイングランドやアイルランドに存在した、依頼者を起こす職業です。棍棒のようなものでドアを叩いたり、長い棒で高い階の窓を叩いて起こして回っていました。
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ノッカー・アップ Knockers-Up | History Undustedより |
"睡魔ちゃん"なので、もし名前がついたとしたらヒュプノス(ギリシア神話の眠りの神)、ソムヌス(ローマ神話の眠りの神、ラテン語で"眠り"の意)、モルフェウス(ギリシア神話の夢の神)あたりになりそうです。
南の海のヌル
南の海のヌルさん。"ネプチューン的なやつ"と書かれていますが、ネプチューンっぽいのは武器のトライデント(三叉の矛)くらいのような気がします。ネプチューンはローマ神話のネプトゥーヌスのことで、ギリシア神話のポセイドンと同一視されます。
ヌルさんからシャテンさまたちの名前の下にあるカッコ書きはおそらく名前の由来だと思われるので、ヌルさんの名前の由来はnullなのでしょう。nullというのはドイツ語で"0"を意味する単語で、「何もない」という意味で使われます。日本では主にプログラミング関係で使われる言葉です。
海関係のキャラクターで、名前が「何もない」を指す……と来れば、ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の登場人物のネモ船長が思い起こされます。ラテン語で「誰でもない」を意味する"nemo"を名乗る、潜水艦ノーチラス号の船長です。
この海底二万里にはアトランティスの遺跡が登場しますが、アトランティスは存在しない(null)大陸ですね。アトランティスはポセイドンとも関係がありますし、『海底二万里』がヌルさんの元ネタである可能性は十分ありそうです。
また、「南の海」「null」からは、メガラニカも連想できます。メガラニカというのは、古代ギリシアの時代から存在が仮定されていたものの実際には存在しなかった、南半球にあるとされた巨大な大陸です。メガラニカはテラ・アウストラリス(Terra Australis、南方大陸)とも呼ばれるので、けっこうイメージに合いそうです。余談ですが、テラ・アウストラリスはオーストリア(Australia)の名前の由来になっています。
南の海のヌルさんは、なくなってしまった大陸の、今は亡き王国の姫なのかもしれませんね。
ペルセポネーはいろいろあってハーデースの妻となり、冥府の女王になった女神です。このペルセポネーですが、プシューケーの物語においてプシューケーに「冥府の眠り」を渡しており、眠りとも無関係ではありません。
"ガガちゃんぽいのとは…"と書かれていますが、レディ・ガガ風のファッションのキャラクターを発注されたのでしょうか? ガガさんのファッションについてはあまり詳しく知らないのですけど、ちょっと検索したら、2009年3月のカリフォルニア公演で割れた鏡モチーフの衣装を着ていたことがあるようですね。
『太陽と月とタリア』はイタリアの民話で、ジャンバティスタ・バジーレが蒐集し刊行した『ペンタメローネ』という説話集に入っています。大筋は皆さんご存知のグリム版『眠れる森の美女』に近いのですが、『太陽と月とタリア』では、眠ったままのタリア姫と彼女のもとを訪れた王の間に男女の双子が生まれ(タリアは眠ったまま出産します)、その双子は目を覚ましたタリアによって「太陽(Sole)」「月(Luna)」と名付けられます。そう、『太陽と月とタリア』のイタリア語原題は『Sole, Luna, e Talia』です。フェニックスのお二人がイタリア風なのも、もしかするとタリアの物語が関係しているのかもしれません。
手持ちのクラウン独和でSchattenを引いたところ、“die Schatten der Vergangenheit(過去の暗い影)”という用例が載っていました。なんというか、オトカドールAct編にぴったりな用例です。
では、今回はこの辺で……
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以下、2018-04-20追記。追記はしたもののスカスカです……。
どうやら日本語の「ネコ」をロシア語のアルファベットで表記した際に"неко"と綴ることがあるようで、それをロシア語読みすると「ニェコ」のような発音になります。ただし、"нэко"と綴ったほうが「ネコ」の発音になるので、"нэко"のほうが一般的のようです。
参考→Неко — Википедия、Девушка-кошка — Википедия
ヌルさんからシャテンさまたちの名前の下にあるカッコ書きはおそらく名前の由来だと思われるので、ヌルさんの名前の由来はnullなのでしょう。nullというのはドイツ語で"0"を意味する単語で、「何もない」という意味で使われます。日本では主にプログラミング関係で使われる言葉です。
海関係のキャラクターで、名前が「何もない」を指す……と来れば、ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』の登場人物のネモ船長が思い起こされます。ラテン語で「誰でもない」を意味する"nemo"を名乗る、潜水艦ノーチラス号の船長です。
この海底二万里にはアトランティスの遺跡が登場しますが、アトランティスは存在しない(null)大陸ですね。アトランティスはポセイドンとも関係がありますし、『海底二万里』がヌルさんの元ネタである可能性は十分ありそうです。
また、「南の海」「null」からは、メガラニカも連想できます。メガラニカというのは、古代ギリシアの時代から存在が仮定されていたものの実際には存在しなかった、南半球にあるとされた巨大な大陸です。メガラニカはテラ・アウストラリス(Terra Australis、南方大陸)とも呼ばれるので、けっこうイメージに合いそうです。余談ですが、テラ・アウストラリスはオーストリア(Australia)の名前の由来になっています。
南の海のヌルさんは、なくなってしまった大陸の、今は亡き王国の姫なのかもしれませんね。
冥府の女王ペルセピナ
冥府の女王ペルセピナさん。"夜とか冥府の女王みたいな"と書かれています。名前の由来はカッコ書きされているとおり、ギリシア神話の「ペルセポネー」でしょう。ペルセポネーはローマ神話では「プロセルピナ」と呼ばれるので、ペルセポネーとプロセルピナを合わせて「ペルセピナ」という名前が付けられたものと思われます。ペルセポネーはいろいろあってハーデースの妻となり、冥府の女王になった女神です。このペルセポネーですが、プシューケーの物語においてプシューケーに「冥府の眠り」を渡しており、眠りとも無関係ではありません。
ヒルメ
ヒルメさん。名前の由来は「オオヒルメノムチノカミ」と書かれていますね。大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)は、アマテラスオオミカミの別名です。ということは、ヒルメさんはアメさんの関係者でしょう。"ガガちゃんぽいのとは…"と書かれていますが、レディ・ガガ風のファッションのキャラクターを発注されたのでしょうか? ガガさんのファッションについてはあまり詳しく知らないのですけど、ちょっと検索したら、2009年3月のカリフォルニア公演で割れた鏡モチーフの衣装を着ていたことがあるようですね。
眠り姫スリプ
眠り姫スリプさん。眠り姫というとヨーロッパの民話『眠れる森の美女』が思い起こされます。後ろにシーツが浮いていますが、月と太陽がシーツを持って浮かせているようにも見えます。同種のキャラクターである睡魔ちゃんやペルセピナさんには太陽と月のモチーフはありません。スリプさんのデザインにおいて太陽と月が現れるのは、『眠れる森の美女』の類話に『太陽と月とタリア』というお話があるからかもしれません。『太陽と月とタリア』はイタリアの民話で、ジャンバティスタ・バジーレが蒐集し刊行した『ペンタメローネ』という説話集に入っています。大筋は皆さんご存知のグリム版『眠れる森の美女』に近いのですが、『太陽と月とタリア』では、眠ったままのタリア姫と彼女のもとを訪れた王の間に男女の双子が生まれ(タリアは眠ったまま出産します)、その双子は目を覚ましたタリアによって「太陽(Sole)」「月(Luna)」と名付けられます。そう、『太陽と月とタリア』のイタリア語原題は『Sole, Luna, e Talia』です。フェニックスのお二人がイタリア風なのも、もしかするとタリアの物語が関係しているのかもしれません。
影の王シャテン
影の王シャテンさん。シャテン(シャッテン)は、ドイツ語の単語Schattenそのままの名前です。影,陰、という意味の名詞ですね。手持ちのクラウン独和でSchattenを引いたところ、“die Schatten der Vergangenheit(過去の暗い影)”という用例が載っていました。なんというか、オトカドールAct編にぴったりな用例です。
では、今回はこの辺で……
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以下、2018-04-20追記。追記はしたもののスカスカです……。
プレイヤードールズ(?)
やよいさんからニェコさんまではライバルドールではなくてプレイヤードールでしょうか。プレイヤードールたちは基本的に、名前の由来などがはっきりしませんね。やよい
芸術家でやよいといえば草間彌生……しか思い浮かばないですが、あまり関係なさそうですよね。くう
きー
クリス
きーさん(黄色)とクリスさんの片言感を混ぜるとサニーさんになりそうですが、クリスさんみたいな剣と魔法のファンタジーRPGライクなキャラクターでオシャレバトルするのもとても楽しそうですね。スミレ
あいさん似ですね。植物のアイはピンク色の花を咲かせますが藍色の染料になり、スミレは紫色の花ですね。若干の共通点を感じます。クロノ
"chrono-"は、”時間”を意味する接頭辞です。クロノグラフ(ストップウォッチ機能付き時計)などの「クロノ」です。Sci-Fiやサイバーに時計モチーフは欠かせませんね!Bi Bi
名前からしてココさんの縁者っぽいです。ココ・シャネルの”ココ”は本名ではなく愛称ですが、”ビビ”というのも女性の愛称の一つで、ビビという愛称のモデル・女優は複数います。かず子
キャンさまの縁者でしょうか。ズバリ。ニェコ
ニェというカナは、主にロシア語をカナ表記するときに使われます。「ニェット(нет, いいえ)」などです。どうやら日本語の「ネコ」をロシア語のアルファベットで表記した際に"неко"と綴ることがあるようで、それをロシア語読みすると「ニェコ」のような発音になります。ただし、"нэко"と綴ったほうが「ネコ」の発音になるので、"нэко"のほうが一般的のようです。
参考→Неко — Википедия、Девушка-кошка — Википедия
ファントム クレール
phantom、幻や幽霊を指す英語の名詞です。
clairの方はフランス語で、名詞だと「光」、形容詞では「澄んだ」「明白な」「(色が)淡い」というような意味になります。英語の「clear」と同系の語です。おそらく、「澄んだ」という意味での命名ではないでしょうか。幽霊モチーフのキャラクターのようなので。
白黒つけようとするのは、自分自身が生死の間ではっきりしない存在であることの反動でしょうか。性格を考えると、clairの「明白な」という意味も生きてきます。
名前を英語clearではなくフランス語にしたのは、英題が"The Phantom of the Opera"である『オペラ座の怪人』がフランスの小説(原題:Le Fantôme de l'Opéra)だというのも影響していそうです。まあ、クリアだと「ゲームをクリアする」のクリアにとられてしまいかねないっていうのもありそうですが。
では、追記もこのあたりで。もしまた何か思いついたら書き加えるかもしれません。
- クローゼット第10回の新キャラさんたちについてのあれこれ(その1)
- クローゼット第10回の新キャラさんたちについてのあれこれ(その2)